ワンデイインプラント®とAll-on-4oneday and all

ワンデイインプラント®とAll-on-4ONEDAY IMPLANT and All-on-4

このページをご覧の方は、おそらくインプラント治療について詳しく知りたくて、いろいろなサイトやあるいは書籍などを見てこられたことでしょう。インプラント治療について調べれば調べるほど、見慣れない言葉を目にするのではないでしょうか。その中に、表題の「ワンデイインプラント®️」や、「All-on-4」も含まれているかもしれません。

この2つの言葉は、よく似た治療法の説明で使われるため、違いが分かりにくいと思います。簡単に言えばどちらも、『あご全体のインプラント治療で、インプラントの本数はなるべく少なくし、手術当日に仮歯を固定する治療法』を指します。治療の根本となる考え方はこのように同じですが、同じものではありません。当院ではあご全体の治療に「ワンデイインプラント®️」を行っています。
ではこの2つは何が違うのか、なぜ当院では「ワンデイインプラント®️」を行うのか、ご説明いたします。

―目次―

現在のインプラント治療の誕生まで

医療において体に埋め込む人工物全般を、インプラントと言います。たとえば、骨折をつなぐ金属プレート、骨折した骨を修復するためのボルトやチタンプレート、人工心臓弁、人工乳房などもインプラントです。その中でも歯の欠損治療に使用する歯科インプラントが一般的になってきて、インプラントと言えば歯科インプラントが想起されるようになってきました。

歯科インプラントの歴史は、実はとても古いものです。紀元前の遺物にも、欠損した歯の代わりに象牙や宝石が埋め込まれた痕跡が見つかっています。これは、失った歯の代わりとして生きているうちに埋めたものか、あるいは死後の世界で不自由なく噛めるようにと埋葬の儀式として使ったものか定かではありませんが、古来より人類は失った歯を取り戻したいという願望を持っていたのでしょう。
その後現代にいたるまで、歯の代わりに硬いものを埋める治療は続きました。エメラルドやサファイアなどの宝石、コバルト、クロム合金、アルミニウム、ステンレスなど、いくつもの素材が試されましたが、これらは体内で異物反応を起こし、骨と結合することはほとんどなく、しっかりと噛める効果はなかったようです。

そんなインプラント治療の歴史が大きく転換する出来事がありました。1952年、スウェーデンのブローネマルクという教授が、ある動物実験を行っていたところ、体内に埋め込んだ器具が骨としっかりと結合して取り出せなくなったのです。この事件からブローネマルク教授は、その器具の素材であるチタンが、骨と結合することを発見しました。教授はこの発見を医療に役立てたいと考え、研究の結果、歯科インプラントとして歯を再生させる方法を考案しました。
その後動物実験などを経て、1965年に初めて人間の患者様にチタン製インプラントの埋入手術を行いました。これが現在のインプラント治療の原点です。ちなみに、この最初の患者様に埋め込まれたインプラントは、2006年に患者様が亡くなるまで機能し続けました。

ブローネマルク教授のチタン製インプラントが、体内で安定して機能することが発表されると、世界中の歯科治療で使われるようになりました。インプラント治療の成功率を高める研究も進み、あごの骨に埋め込んだ直後は、強い力を与えない方が良いということもわかりました。そのため、あごの骨にインプラントを埋め込んだ後、歯ぐきを縫合して閉じ、3~6カ月ほど時間をおいて骨とインプラントが結合するのを待ち、その後人工歯を装着する、という方法が一般的になっています。

あご全体のインプラント治療の誕生

こうして、インプラントによって失った歯を再生させる治療が誕生したのですが、ほとんどの歯またはすべての歯を失っている人が行う場合、3~6カ月もの間、歯のない状態で生活しなければなりません。また片あごにインプラントを10本~14本も埋めることになり、患者様の体に大きな負担がかかります。治療中の不便さと治療期間の長さ、負担の大きさなどを考えると、あご全体のインプラント治療は非常に取り組みにくいものでした。
この状況を解消し、多くの歯を失った方にも長い治療期間のストレスや手術での負担を軽減して、インプラント治療を行えないかという研究が進みました。

その結果、

  • あご全体にバランスよくインプラントを4本〜6本配置して埋め込めば、日常生活に必要な12本分の人工歯を支えられる
  • 埋め込んだ直後のインプラントに強すぎる力をかけると骨と結合しないが、程よい力であれば骨結合を促す

このようなことがわかりました。

これらの研究結果を踏まえて、全ての歯を失った人やほとんどの歯を失った人にインプラント治療を行うときには、4本〜6本のインプラントをバランスよくあごに埋め込み、12本分の仮歯をその日のうちに装着する治療法が誕生しました。これは即時という意味を使用して、イミディエート治療と呼ばれています。

All-on-4(オールオンフォー)とは

イミディエート治療が登場すると、歯科界ではより安全で確実な治療法を開発すべく、インプラントメーカーや歯科医師が研究を進めてきました。そうしていくつかの治療法が誕生しましたが、中でも有名なのがポルトガルのDr.マロが提唱した All-on-4です。
All-on-4は、All=片あごに必要な12本分の人工歯すべて、on=乗せる、4=4本のインプラント、という意味で、片あごに配置した4本のインプラントで、12本分の人工歯を支え る治療法です(上あごでは例外的に6本の場合もあります)。All-on-4の大きな特徴は、使用するインプラントを4本としていること以外に、奥歯側のインプラントを斜めに埋め込むことで骨造成を行わない、ということがあります。

あごの骨の奥歯部分には、上あごでは上顎洞という空洞が、下あごでは下顎管という神経や血管の通り道があります。どちらも傷つけないように気を付けなければいけません。ところが歯を失った人の多くが、あごの骨がやせてしまい、インプラントを埋めるだけの厚みを確保できない場合が多いのです。
All-on-4が登場するまでのインプラント治療では、骨の厚みが足りない場合は、骨移植を行っていました。これは、自分の他の部分の骨や、あるいは人工骨をあごの骨に移植し、半年~1年かけて骨を作ってからインプラント治療を行う、という方法です。これもまた、患者様には時間も体力も必要な大掛かりな処置であり、術者にとっても難易度の高い治療でした。All-on-4はこの骨移植(骨造成)という高いハードルを、インプラントの傾斜埋入で解消したのです。

All-on-4はこの他にも、ノーベル・バイオケア社の専用製品を使うことや、インプラントの埋め込み時に加える力やネジを締め付ける力などを明確に指示するなど、細かいルールを設けています。そうすることで、歯科医師への技術教育が容易になり、安全性や成功率を維持することにもつながります。さらに老舗のインプラントメーカーであるノーベル・バイオケア社が、All-on-4のセミナーを開催していることも後押しとなり、歯科医師の間でAllon-4の名前が広まり、イミディエート治療の代名詞とまでなりました。

ワンデイインプラント®とは?

このように、ほとんどの歯を失った方にとって大変有意な治療法であるAll-on-4ですが、実は限界もあります。極端に骨が薄くなっている患者様の場合は、傾斜埋入でも対応しきれないのです。
長年入れ歯を使用してきた患者様は、あごの骨が極度に薄くなっていらっしゃる方がいます。特に上あごの骨は、もともと薄いのですが、それが一層薄くなってしまうとAll-on-4での治療も難しくなってしまうのです。All-on-4が適応できない患者様は、インプラント手術の前に骨移植手術を受けるか、インプラント治療を諦めるか、という選択肢しかありませんでした。これではイミディエート治療誕生以前の状態と変わりません。

「All-on-4では治療ができないほど骨が薄くなってしまった方にも、イミディエート治療によって噛む力を取り戻してほしい。」そう考えた当院理事長の中平宏歯科医師は、インプラントの埋入手術と一緒に、サイナスリフトという骨造成を行う手法を考案しました。サイナスリフトは、インプラント埋入のためにあごの骨をきれいに整えたときに出た骨や人工骨を、上顎洞の底の部分に追加して骨を増やす処置です。そのサイナスリフトとインプラントの埋入、仮歯固定までを1日(ワンディ)で行うのです。
サイナスリフトで骨を増やせば、奥歯の部分にもインプラントを埋入することができます。そうすることで、人工歯を安定して固定させることができます。もちろん、骨移植のような体力的時間的な負担をかけることもありません。中平歯科医師は、イミディエート治療の中でも特徴的なこの治療を、他の治療法と区別するため、ワンデイインプラント®️と名付けて、2006年に商標登録しました。

ワンデイインプラント®️は、骨の薄い患者様にだけ行われる治療というわけではありません。すべての歯がない方やほとんどの歯を失った方、また多くの歯がグラグラして噛めない方など、あご全体に治療が必要な方であればほとんどの方に、1日できれいな仮歯を固定することができます。
多くの方に手術が適応されるよう、埋入するインプラントの本数は4~6本と幅を持たせたり、骨質によってインプラントメーカーを選択したりと、患者様に適した治療を行うために柔軟に対応するシステムを確立しています。そのため、歯科医師は治療計画を立てるための高い診断力が必要ですし、手術時には高度な技術が必要になります。歯科医師にとってはとてもハードルの高い治療法ではありますが、多くの患者様に再び、噛めるように治療することができるようになりました。

ワンデイインプラント®とAll-on-4(オールオンフォー)の比較

  ワンデイインプラント® All-on-4(オールオンフォー)
埋入本数 4本〜6本 4本(上顎6本の場合もある)
骨造成 サイナスリフトの併用
(臼歯部でも固定できる)
骨造成なし
(遠心部インプラントの傾斜埋入)
初期固定値 低い初期固定値でも技術力でカバー 35Ncm〜45Ncm
使用メーカー 幅広く対応 ノーベル・バイオケア社

ワンデイインプラント®の特徴

即時荷重治療法とサイナスリフトの併用
最大の特徴と言うと、即時荷重治療法とサイナスリフトを併用することです。即時荷重治療法とは、インプラントをあごに埋入すると同時に、仮歯を固定することです。
サイナスリフトとは、上顎洞の底の部分に骨造成を行うことです。
ワンデイインプラント®では、骨吸収の著しい患者様や骨質が粗い患者様などのように、難症例に対しても多くの場合で、抜歯、骨造成、骨整形、歯科インプラントの埋入、仮歯の固定までを1日で行っています。
All-on-4が治療できない患者様も、あきらめないでいただきたいと思います。

ワンデイインプラント®は、安全に施術し、効率と品質の高い治療ができるように、術中と術後はもちろん、人工歯などにも明確な基準を設けています。
また治療によって得た快適な噛み心地を長く続けていただけるよう、治療後のメンテナンスも充実させています。

中平グループだからできるワンデイインプラント®

ワンデイインプラント®は、患者様それぞれの症例に応じて、対応するシステムを確立しています。これは、豊富な経験と高度な治療技術があってこそ可能なシステムです。手術を行う歯科医師はもちろんのこと、手術をサポートする他のスタッフもまた高度な専門知識や技術が求められますから、どの歯科医院でも受けられる治療ではありません。
現在は、中平グループ、および中平歯科医師の出向提携医院のみで行われています。
それによって、ワンデイインプラント®️という治療法の高い品質と成功率をお約束しています。