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All-on-4とは|なぜ4本で全部の歯を支えられるのか

[2026年06月01日]

上の歯を全部失った、あるいは残っている歯がぐらぐらで全部抜かなければならない。そうした状況でインプラントを検討すると、「14本埋めるのか」と想像されるかもしれません。

実際にはそうではありません。4本程度の土台で、連結した歯の列全体を支える方法があります。All-on-4と呼ばれる考え方です。愛媛県今治市の中平歯科医院でもご案内しています。

この記事では、なぜ少ない本数で支えられるのか、その仕組みを説明します。数が少ないぶん一本にかかる負担は大きくなりますから、成立させるための条件もあわせてお伝えします。

目次

  1. 歯の数だけ埋める必要はありません
  2. 傾けて埋めるのが、この方法の要です
  3. 連結することで、力が分散します
  4. 手術当日に、仮の歯が入ります
  5. 成立させるための条件があります
  6. 費用と期間
  7. 入れたあとの手入れが、結果を決めます
  8. まとめ|分散させるから、少ない本数で成立します

1. 歯の数だけ埋める必要はありません

失った歯の数だけインプラントを埋めるという発想は、直感的には分かりやすいのですが、現実的ではありません。本数が増えれば手術の負担も費用も大きくなりますし、そもそも骨が十分にある場所はそれほど多くありません。

橋を支える橋脚と同じ考え方です

長い橋を架けるとき、地面のすべてに柱を立てるわけではありません。地盤のしっかりした場所を選んで橋脚を置き、その上に連続した構造を渡します。同じ考え方で、骨の条件が良い場所を選んで土台を置き、連結した歯の列を載せます。重要なのは本数そのものではなく、どこに置くかという配置です。

少ない本数で支える考え方 1 要所を選ぶ 骨の良い場所に 土台を置く 2 連結する 歯の列をつなげ 力を分散させる 3 本数を抑える 手術の負担も 費用も抑えられる 4 骨を活かす ある場所を使い 増やす処置を減らす 必要な本数と位置は、骨の状態によって一人ひとり異なります

▲ 橋を支える橋脚と同じ発想です

2. 傾けて埋めるのが、この方法の要です

あごの骨は、どこも同じ厚さではありません。前のほうは比較的しっかり残りやすく、奥にいくほど薄くなります。上あごの奥には空洞があり、下あごの奥には神経が通っているため、まっすぐ埋められる範囲は限られます。

斜めに埋めれば、長い土台を使えます

奥の土台を後ろ向きに傾けて埋めると、骨の厚い部分を斜めに貫く形になり、長い土台を安定して入れられます。しかも支える位置が後ろへ広がるため、奥歯のあたりまで歯を載せられます。骨を増やす処置を避けられるのは、この工夫によるものです。骨を増やす処置が不要になれば、外科処置の回数が減り、待つ期間も費用も抑えられます。

まっすぐ埋める場合・傾けて埋める場合 比較項目 まっすぐ埋める 傾けて埋める 使える骨 限られる 厚い部分を活かせる 土台の長さ 短くなりがち 長いものを使える 支える範囲 前方に偏る 後方まで広がる 骨を増やす処置 必要になりやすい 避けられることがある 設計の難しさ 比較的単純 綿密な計画が要る CTの必要性 必要 必須

▲ 傾けることで、使える骨の範囲が広がります

3. 連結することで、力が分散します

1本ずつ独立した歯では、その歯にかかった力はその土台だけが受け止めます。連結した構造では、どこで噛んでも力が全体に散ります。一本あたりの負担が減るため、少ない本数でも成立します。この分散こそが、この方法を支えている原理です。

だから一本でも失うと影響が出ます

裏を返せば、連結している以上、一本を失うと全体の設計に影響します。残った土台で支えきれるかを見直すことになります。少数精鋭であるぶん、一本一本の管理が重要になるということです。1本ずつ独立した設計に比べて、日々の手入れと定期的な確認の重みが増します。

連結が負担を分散させます 分散 が原理です 連結した構造 どこで噛んでも力が散る 一本あたりの負担 減るため少数で成立する 一本を失うと 全体の設計を見直す 設計や本数は骨の状態によって異なります

▲ 分散するからこそ、少ない本数で成立します

4. 手術当日に、仮の歯が入ります

この方法の大きな利点は、手術当日に連結した仮歯を固定できることです。歯がないまま過ごす期間を作らずに済みます。見た目も手術直後から整い、取り外し式ではないためずれる不安もありません。

ただし硬いものはまだ噛めません

仮歯が入っても、骨と結合するまでは強い力をかけられません。数か月のあいだはやわらかいものを選んでいただきます。「その日に噛める」という表現には、この前提があります。最終的な人工歯は、結合を確認してから作ります。仮歯で過ごす期間は、見た目や噛み合わせを確かめる時間でもあり、その情報を最終的な歯に反映できます。

治療の流れ 1 CT検査・設計 骨の量と形を立体で把握 2 手術・仮歯 当日に固定式の仮歯を 3 結合を待つ 数か月・やわらかい食事 4 最終的な人工歯 型取りして装着 必要な期間は骨の状態によって異なります

▲ 期間の大半は、結合を待つ時間です

5. 成立させるための条件があります

少ない本数で支える以上、一本一本がしっかり安定していることが前提です。埋めた直後の固定が得られなければ、当日に仮歯を載せることはできません。骨の量と質が十分でない場合、この方法は選べないことがあります。

CTなしには設計できません

どこに、どの角度で、どの長さの土台を埋めるか。傾けて埋める以上、わずかなずれが結果を左右します。神経や空洞との距離も正確に測る必要があります。平面のレントゲンだけでこの設計を行うことはできません。当院がCT撮影を必須にしているのは、この理由によります。

検査で確認していること 土台が安定するだけの骨の量と質 神経や上あごの空洞との距離 残っている歯をどうするかの判断 歯ぐきに強い炎症がないか 噛む力の大きさと歯ぎしりの有無 糖尿病・骨の薬・喫煙などの全身の条件 服用中のお薬がある場合は必ずお知らせください

▲ 条件が揃わない場合は、別の方法をご提案します

6. 費用と期間

全顎インプラントは自由診療(保険適用外)です。当院の料金表では、手術費と最終的な人工歯を合わせて250万円から585万円の幅で提示しています。術式と、選ぶ人工歯の種類によって変わります。骨を増やす処置が必要な場合は、さらに加算されます。

医療費控除の対象になります

インプラント治療にかかった費用は医療費控除の対象として扱われます。ご家族の分も合算して申告できますので、領収書は保管しておいてください。総額と内訳は検査のうえでお伝えします。分割でのお支払いについてもご相談ください。

この方法の利点と、引き受けていただくこと 得られること ・少ない本数で全体を支えられる ・手術当日に仮歯が入る ・ずれや浮きの不安がなくなる ・骨を増やす処置を避けられることがある ・噛む力をかけやすくなる 引き受けていただくこと ・外科手術と術後の腫れ ・数か月の食事の制限 ・自由診療で高額な費用 ・専用の道具を使った手入れ ・一本を失うと設計に影響する

▲ 両方をご理解いただいたうえで選んでいただきたいと考えています

7. 入れたあとの手入れが、結果を決めます

連結した人工歯の下は、通常の歯ブラシでは清掃できません。専用の道具を使った手入れ方法をお伝えし、実際に練習していただきます。ここを続けられるかどうかが、長く使えるかを分けます。

定期的な確認は欠かせません

インプラントは虫歯になりませんが、周囲の歯ぐきと骨に炎症が起きれば支えを失います。しかも痛みが出にくいため自覚できません。歯ぐきの検査、噛み合わせ、ねじのゆるみ、レントゲンでの骨の高さを定期的に確認します。

手入れを怠った場合に進むこと 1 汚れが溜まる 自覚症状なし 清掃で戻せる 2 歯ぐきが腫れる 磨くと出血 この段階なら回復する 3 骨が減りだす 痛みは出にくい 処置が必要になる 4 一本を失う 全体が不安定に 設計の見直しへ 進み方には個人差があり、必ずこの通りではありません

▲ 少数で支えている以上、一本の喪失が全体に響きます

まとめ|分散させるから、少ない本数で成立します

失った歯の数だけインプラントを埋める必要はありません。骨の条件が良い場所を選んで4本程度の土台を置き、その上に連結した歯の列を載せる方法があります。橋を支える橋脚と同じ考え方です。連結することでどこで噛んでも力が全体に分散するため、少ない本数でも成立します。

この方法の要は、奥の土台を傾けて埋めることです。あごの骨は奥にいくほど薄く、上あごには空洞、下あごには神経があるため、まっすぐ埋められる範囲は限られます。斜めに埋めれば骨の厚い部分を活かして長い土台を使え、支える位置も後方へ広がります。骨を増やす処置を避けられるのは、この工夫によるものです。骨を増やす処置が不要になれば、外科処置の回数が減り、待つ期間も費用も抑えられます。

ただし少数で支える以上、一本一本の安定が前提です。骨の量と質が十分でなければ選べないこともあり、CTによる綿密な設計が欠かせません。手術当日に仮歯が入りますが、結合するまでの数か月は硬いものを噛めません。自由診療(保険適用外)で、当院の料金表では250万円から585万円です。経過には個人差がありますので、まずは検査からご案内しています。愛媛県今治市の中平歯科医院までどうぞ。

▶ ワンデイインプラント®とAll-on-4について詳しくはこちら
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自由診療(保険適用外)に関する説明

治療内容:全顎インプラント(All-on-4/ワンデイインプラント®を含む)。あごの骨に埋入した4本程度のインプラント体で、連結した人工歯を支える自由診療の治療です。奥の土台を傾けて埋入することで、骨の厚い部分を活用します。

費用:手術費と最終的な人工歯を合わせて250万円〜585万円(術式と人工歯の種類により変動)。骨増生が必要な場合は1か所5万円〜20万円、CT撮影分析3万円、静脈内鎮静法10万円が別途かかります。詳細は料金表をご確認ください。

標準的な治療期間・回数:検査から最終的な人工歯の装着まで、おおむね6か月〜12か月。来院回数の目安は10回前後です。骨の状態や追加の処置の有無によって変わります。

主なリスク・副作用

  • 外科手術に伴い、術後に腫れ・内出血・痛みが生じることがあります
  • 骨の条件によっては当日の仮歯固定を行えず、方法を変更する場合があります
  • 傾斜して埋入するため、設計にずれが生じると結果に影響します
  • 下あごの神経や上あごの空洞に近い部位では、しびれや炎症が起こる可能性があります
  • 連結構造のため、インプラント体を1本失うと全体の設計を見直す必要があります
  • 喫煙・糖尿病・骨に関わる薬の服用は、治りに影響することが知られています
  • 手入れが不十分な場合、インプラント周囲炎により支えを失うことがあります
  • 人工歯の破損やねじのゆるみが生じ、修理や作り直しが必要になる場合があります

出典・参考資料

  • 公益社団法人 日本口腔インプラント学会
  • 公益社団法人 日本口腔外科学会
  • 公益社団法人 日本補綴歯科学会
  • 国税庁 タックスアンサー「医療費控除の対象となる歯の治療費」

※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。症状や治療の経過・効果には個人差があります。本記事で扱う治療には自由診療(保険適用外)が含まれます。詳しくは歯科医師にご相談ください。