「骨が足りない」と断られた方へ|骨を増やす方法と、増やさない方法
[2026年09月21日]
他院で「骨が足りないのでインプラントはできません」と言われた——愛媛県今治市の中平歯科医院には、このご相談が数多く寄せられます。そこで諦めてしまい、合わない入れ歯を使い続けている方も少なくありません。
確かに、骨の量が足りなければそのままでは土台を埋め込めません。ただし「そのままでは」という条件付きです。骨を増やす方法もあれば、増やさずに骨のある場所を使う方法もあります。
この記事では、なぜ骨が足りなくなるのか、どんな対応があるのか、そして本当にできない場合とはどういう状態なのかを整理します。過度な期待を持っていただかないよう、限界についても正直にお伝えします。
目次
- 骨は、使わないと減っていきます
- 足りないのは「幅」か「高さ」か
- 骨を増やすという方法
- 増やさずに済ませるという方法
- それでも難しい場合があります
- セカンドオピニオンという使い方
- 費用と期間の見通し
- まとめ|まず、どこがどう足りないのかを確かめます
1. 骨は、使わないと減っていきます
歯を支えている骨は、噛む力が伝わることで維持されています。歯を失うとこの刺激が途絶えるため、その部分の骨は少しずつ吸収されていきます。失ってから時間が経つほど、また入れ歯で長く過ごすほど、骨は薄く低くなっていきます。これは自然な変化で、避けることはできません。
失ってからの期間が効いてきます
抜歯した直後がもっとも骨があり、そこから数か月で大きく変化します。何年も放置した部位では、幅も高さも大きく失われていることが多くあります。「もっと早く相談していれば」というお話をよくうかがうのは、この理由によります。
▲ 放置した期間が長いほど、選べる方法は減っていきます
2. 足りないのは「幅」か「高さ」か
ひとことで骨が足りないと言っても、中身は二通りあります。土手が細くなって幅が足りない場合と、上下方向の高さが足りない場合です。どちらが不足しているかによって、とるべき方法が変わります。またその両方が失われていることもあります。
上あごと下あごでも事情が違います
上あごの奥には空洞があり、歯を失うとこの空洞が下へ広がってきて、骨の高さが不足しやすくなります。下あごの奥には神経が通っており、そこを避ける必要があるため、使える高さに限りがあります。同じ「足りない」でも、対応の考え方は場所によって異なります。
▲ どこがどう足りないのかを、まず正確に把握します
3. 骨を増やすという方法
足りない部分に骨の材料を補い、時間をかけて自分の骨に置き換わるのを待つ方法があります。幅が足りない場合は横方向に、上あごで高さが足りない場合は空洞の底を持ち上げて内側に骨を作ります。どちらも外科処置で、麻酔をして行います。
待つ期間が加わります
補った骨が安定するまでには数か月が必要です。インプラントの手術と同時に行える場合もあれば、先に骨を作ってから改めて埋め込む場合もあります。後者では、全体の治療期間が半年ほど長くなります。費用も追加でかかります。どちらの進め方になるかは、不足している量と場所によって決まります。わずかな不足であれば同時に行えることが多く、大きく失われている場合は段階を分けたほうが確実です。この判断も、検査の段階でお伝えします。
▲ 同時に行える場合と、先に骨を作る場合があります
4. 増やさずに済ませるという方法
骨を増やすことだけが答えではありません。あごの骨には、吸収が進んでも比較的しっかり残る部分があります。そこを選び、土台を斜めに傾けて埋め込むことで、骨のある部分を有効に使う方法があります。多くの歯を失っている方では、この考え方で骨造成を避けられることがあります。
手術の負担も期間も抑えられます
骨を増やす処置が不要になれば、外科処置の回数が減り、待つ期間も短くなります。費用の面でも差が出ます。ただしこの方法は、埋める位置と角度の設計が結果を左右するため、CTによる事前の綿密な計画が前提になります。
▲ どちらが適しているかは、骨の残り方によって決まります
5. それでも難しい場合があります
正直に申し上げると、どうしても対応が難しい状態もあります。骨の吸収が極端に進んでいる、糖尿病の管理が十分でない、骨に関わるお薬を長く服用している、喫煙が続いている。こうした条件が重なる場合、無理に行っても良い結果になりません。
できないことは、できないとお伝えします
当院では、条件が整わないと判断した場合はその旨を明確にお伝えし、代わりの方法をご提案します。取り外し式のインプラントオーバーデンチャーで本数を減らす、あるいは入れ歯の設計を見直すという選択もあります。ご期待に沿えない場合もあることを、あらかじめご理解いただければと思います。
▲ 骨の量だけで決まるわけではありません
6. セカンドオピニオンという使い方
他院で難しいと言われた場合でも、判断が変わることはあります。設備や術式の違い、経験の差によって、対応できる範囲は医院ごとに異なるためです。逆に、当院で見ても同じ結論になることもあります。どちらであっても、根拠をご説明します。
検査だけで終えていただいて構いません
当院ではセカンドオピニオンのご相談を承っています。検査と説明を受けたうえで、元の医院で治療を進めていただいても構いませんし、何もしないという判断でも構いません。まず現状を正確に知ることに意味があると考えています。
▲ お持ちいただけると、判断が早く正確になります
7. 費用と期間の見通し
インプラント治療は自由診療(保険適用外)です。骨を増やす処置が必要な場合、当院の料金表では1か所につき5万円から20万円が加算されます。骨量と術式によって幅があります。CT撮影分析は3万円です。全体の費用は、埋める本数と範囲によって変わります。
総額を先にお伝えします
治療を始めてから金額が変わることのないよう、検査のうえで総額と内訳をご説明します。骨を増やす処置が必要かどうかも、その段階で判明します。医療費控除の対象になりますので、領収書は保管しておいてください。
▲ 検査をしないと、正確な見通しは出せません
まとめ|まず、どこがどう足りないのかを確かめます
歯を失うと、その部分の骨は噛む刺激を失って少しずつ吸収されていきます。放置した期間が長いほど、幅も高さも減っていきます。ただし「骨が足りない」と言われても、それがすぐに不可能を意味するわけではありません。
足りないのが幅なのか高さなのか、上あごなのか下あごなのかによって、とるべき方法は変わります。足りない部分に骨を補う方法もあれば、比較的しっかり残っている部分を選び、土台を傾けて埋めることで骨造成を避ける方法もあります。後者は外科処置の回数も期間も費用も抑えられますが、CTによる綿密な設計が前提です。
一方で、骨の吸収が極端に進んでいる場合や、全身の条件が整わない場合には、難しいと判断することもあります。当院ではその場合、理由をご説明したうえで取り外し式のインプラントオーバーデンチャーなど代わりの方法をご提案します。自由診療(保険適用外)であり、経過には個人差があります。他院で難しいと言われた方も、セカンドオピニオンとしてご相談ください。愛媛県今治市の中平歯科医院までどうぞ。
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自由診療(保険適用外)に関する説明
治療内容:インプラント治療および骨造成(骨を増やす処置)。骨の不足した部位に材料を補い、あるいは骨のある部位を選んでインプラント体を埋入する自由診療の治療です。
費用:インプラントは1本あたり埋入手術26万円+連結部5万円+人工歯7万円〜(奥歯1本の合計例38万円)。全顎の場合は250万円〜585万円。骨増生は骨量・術式により1か所5万円〜20万円、CT撮影分析3万円、静脈内鎮静法10万円が別途かかります。詳細は料金表をご確認ください。
標準的な治療期間・回数:骨造成を伴わない場合はおおむね3か月〜6か月。骨造成を先に行う場合は、補った骨が安定するまでに数か月を要するため、全体で1年前後になることがあります。来院回数の目安は8〜12回です。
主なリスク・副作用
- 外科手術に伴い、術後に腫れ・内出血・痛みが生じることがあります
- 補った骨が十分に安定せず、追加の処置や計画の変更が必要になることがあります
- 上あごの空洞を扱う処置では、術後に炎症や感染が起こる可能性があります
- 下あごの神経に近い部位では、しびれが残る可能性があります
- 喫煙・糖尿病・骨に関わる薬の服用は、治りに影響することが知られています
- 骨の吸収が極端に進んでいる場合、インプラント治療を行えないことがあります
- 治療後も手入れと定期的な確認を継続していただく必要があります
出典・参考資料
- 公益社団法人 日本口腔インプラント学会
- 公益社団法人 日本口腔外科学会
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯・口の健康」
- 国税庁 タックスアンサー「医療費控除の対象となる歯の治療費」
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。症状や治療の経過・効果には個人差があります。本記事で扱う治療には自由診療(保険適用外)が含まれます。詳しくは歯科医師にご相談ください。
